「つながらない権利」というのが広まってからもうずいぶん経つ。
当社は在宅勤務の選択が自由&裁量労働が当たり前な職場なので、つながるかつながらないかの選択にはある程度責任を伴う自律性が求められる。かく言う私も山行きで時々電波の届きにくい生活を享受している。意図しているわけではないが「デジタル・デトックス」という効果があるらしい。
つながらない権利を円滑に行使するには、常時接続以上にコミュニケーションがポイントだ。
放置無視することで相手を不安に陥れたり、連絡ルールわきまえろとか状況を推し量れなどと不満を溜め込むことになるのは最悪。お互いの動きやすいやり方をちゃんと発信・確認してあれば、つながらない時があっても大丈夫だと安心できるようになる。接続を切るには漫然とつながり続けるより密で信頼しあえる関係が必要なのだ。信頼関係ができれば、あとはきちんと相手の意図を理解して仕事を進めていることを結果で示すだけでよい。結果的に常時接続より生産性が上がることになる。
つながるツールはたくさんあって、それぞれに長所短所があると思う。一方的な「これでならねばならぬ」のような決めつけは好ましくない。OKマーク送信から毛筆の巻紙やりとりまで、要はどの方法が一番相手に効果的に届くかだ。
チャットの時代にEメールにこだわるとか老害、のようなネット上の意見が流れてきたりもするが、ツールとして何を利用するかの選択肢に対してバイアスを持って決めつけるような態度そのものがコミュニケーション拒絶宣言のようで残念だなあと感じられる。
とにかくまずは、「私はこうしてもらえるのが都合が良くてありがたい、あなたは?」という情報交換をちゃんと行って、お互いに最適なありかたを確認してから、気持ちよーく接続を切ろう。(写真は山の庭のヒトリシズカ)
【I.S.】
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