私がこれを知ったのは、学生時代にスパコンの活用方法を調べたことからでした。
2017年のとある記事から太陽電池に興味が移り、軽いのであれば木造住宅に適しているのでは?と思いペロブスカイト太陽電池を調べたのですが、当時は耐久性の低さから実用的な段階にないと判断して記憶から消去していました。
今週、「2025年屋外耐久性20年相当目標(主要耐久性試験5項目に対し10年相当クリア)」という文言が書いてある資料1)を見つけたことで、こんな技術があったなと思い出したので取り上げます。
2009年、桐蔭横浜大学の宮坂力先生達によってペロブスカイト太陽電池が発明2)されました。3年後には変換効率が10%を超える(一般的な太陽光発電で平均20%)という発表3)があり、海外との特許出願や開発競争が激化していったのが、私の調べた時期だったようです。
時は6年ほど進み(この間、情報を全く追っていなかったわけですが)、東京都から2025年度より大手ハウスメーカーの新規住宅着工に対しの太陽光発電設置の義務化が発表されました。また、翌年の2024年10月には太陽光発電設備のリサイクルに関する義務が発生するような関連法案提出が話題に上がっています。
平地面積当たりの太陽光設備容量が主要国1位の日本4)が、再エネの電源構成比を(2022年度時点で21.7%5)から)2030年に36%~38%まで引き上げるという目標を見た時には本当にできるのか?と不安に思ったことがありました。
2025年にペロブスカイト太陽電池の実用化の目途が立ったと考えれば、今まで設置できなかったところ(例えば湾曲した壁面)でも太陽光発電ができるようになり、再エネの発電目標は達成可能なのかもと希望を感じる資料内容でした。興味がある人は、経済産業省のウェブサイトにある資料1)をご確認ください。
【S.S.】
出典一覧
2) A. Kojima, K. Teshima, Y. Shirai, T.Miyasaka, J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 6050.
3) M. M. Lee, J. Teuscher, T. Miyasaka, T. N.Murakami, H. J. Snaith, Science 2012, 338, 643.
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