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 先月無沙汰をしていた実家を訪ね、数年ぶりに父親と2人で話す機会を持った。男親との会話は仕事や世情に関する話題が多いが、今回は資産運用(と言っても決して富裕層のではないのがミソ)について父の意見を聞けた。

 工学の分野で現役を送った父らしく、あくまで自分で考えて理解できるものに対して投資するという方針だそうだ。なので自分がよく理解していない為替関係や金融のテクニックを用いた商品からは距離をおく。また他人が言ったことを頭から信用することはしない性格(祖父譲り?)なので、銀行や証券会社のおすすめに素直に乗ることはしない。そうなると一番性に合っているのは自分で選んだ国内の個別銘柄への株式投資ということになるらしい。保有銘柄を見ながら話を聞くと、我が親ながら成長しそうだと考える技術分野への着眼点がなるほどで実に面白かった。

 株式投資には私も興味はあるが、投資先を探して選ぶ力がまだまだ浅薄だなあと思うし、勉強になるとはわかっていても、現業が忙しい身としては各社のIRレポートや情報を読み込む時間がない。どうしてもプロにお任せな投信やラップで済ませたくなる。今はまだ投資を学ぶより現業で稼ぐ方を優先する立場なのかなと思う。

 だいたい投資で給与額と同じだけのリターンを得ようとしたら元本がいくらあったら良いかを考えてみると、だったら自分のスキルを会社に買ってもらえるように努力して報酬を上げる、働くみんなで山分けできる利益を生めるように会社の価値を上げる、という方向のほうが、ずっと利回りが良いしリスクも明瞭、しかもやっていて楽しい。

 夕刻に帰り道を駅まで一緒に歩いて送ってくれた父から「体が資本、気をつけて、無理するなよ」といつもの心配性な挨拶を聞き、正月にはまたきっと帰るからと手を振った。親を心配する年頃のはずが、いつも逆に心配されている。【I.S】

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