何らかの方策を選択または決定するとき、その正当性を主張するために、費用効果(便益)分析が多用されている。これは、ある方策をとることが集団に対して結果的にもたらす効果(便益)と、そのための必要な費用を分析し、その比率を最大にするのが正しい選択であるという考え方によるものである。この考え方に対して、次の2つの問題点が指摘されていることに配慮すべきであろう。
・判断の正しさは、選択行動を実行するときではなく、その選択がもたらした結果に応じて、事後に定まるため、誤った判断になる可能性があるということ。
・個人の権利や利害ではなく、あくまで集団の利害を優先させるということ。
さらに重要なことは、その方策の前提となっている背景や目的を適切に理解することであると思う。なぜなら、前提条件に誤りがあれば、論理的には正しいが誤った結論が導かれるためである。【N.Y】
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