以前、「三項式キューブ」という組立てパズルの紹介文を読み、「ホフマンキューブ」と呼ばれている箱詰めパズルを思い出しました。このパズルは、27個の直方体を立方体のケースに収めるという単純なルールのパズルですが、難解パズルとして有名です。このパズルが成立する仕組みは、以下の数式に示すように、3つの正数(a、b、c)に対する相加平均と相乗平均の関係から保証されています。
(a+b+c)/3≧(abc)1/3より、(a+b+c)3≧27(abc)
この不等式は、3辺の長さがそれぞれa、b、cの直方体27個の体積が、1辺の長さがa+b+cの立方体の体積を超えないことを表していますので、27個の直方体を立方体の中に、はみ出さずに詰め込むことができることになります。正数を1つ減らした2つの正数(a、b)の場合は、2辺の長さがそれぞれa、bの長方形4枚の面積が、1辺の長さがa+bの正方形の面積を超えないことを平面図形で簡単に表せますが、3つの正数(a、b、c)の場合は、高さという尺度を1つ増やすことによって平面では表現できない多様な情報量を与えることができます。さらに、時間という尺度が現実の立体構造物には付与されます。この時間尺度を持続性や継続性の視点から捉える普遍的な取り組みがより一層求められています。
【N.Y.】
Comments