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 元々は自動車などの製造業で生まれた考え方で、製品開発工程において複数の業務を同時進行(コンカレント)させることで開発の効率化や期間短縮を図る手法のことを示す。

 建築設計でもBIMソフトや情報共有ツールが整ってきたことで設計情報の共有が行いやすくなったことにより、意匠・構造・設備設計者が同時に設計を進めていく考え方として取り入れようとされている。初期段階に負荷をかけて設計の手戻りを少なくし、設計品質を高められるが、一方で構造設計の観点から考えると意匠・設備の設計を初期段階から理解したうえで設計を進め、提案をする必要があり、構造設計以外の総合的な知識・技術を求められているとも考えられる。設計品質を高めるという観点で他分野の考え方を取り入れてどう生かせるか、構造技術者としての視野と技術を広げる意味ではこのような考え方を柔軟に取り入れたいと考えた。

S.S.

今年の初めに経営学者の野中郁次郎が逝去されたというニュースを目にしたので、1995年に書かれた『知識創造企業』の新装版を手に取ってみました。30年前の著作ですが面白かったです。

非常~にざっくり言うと、イノベーションの源は個人が蓄積するまだ世の中に共有されていない知識(暗黙知)で、そこから組織として価値を創造しイノベーションを社会実装するためには、


① 暗黙知を論理的に表現する手段を考え出して言語化・明示化された知識(形式知)に昇華させ、他者との共有を可能にする。

② 形式知を理解・実践するプロセスを通じて、新たな経験や知識、ノウハウを習得し更に新たな暗黙知を獲得できるようになる。


というサイクルを間断なく繰り返すのが重要だ(→SECIモデル)、そうして蓄積される知識は企業組織において貴重な資産だ、というような話。

いずれにしても、まずは暗黙知を取得するに至る個人の努力や探求心が最重要なのは間違いなさそう。で、その次に重要なのは、暗黙知を誰がどうやって言語化、理論化して伝えるか。


本の中で紹介される事例は大企業ばかりだけれど、当社はいずれの個人も顔が見えるようなごく小さな組織。でも、だからサイクルをまわすプロセスも非常に身近なところで動いていると実感できる。

暗黙知の塊みたいな人からどうやって何を引き出せるのかとか、あの方にはまだまだ楽苦しく探求し続けていただきたいなとか、特定の個々人を思い浮かべながら不遜に思案するのも大変失礼ながらムフフが膨らみます。

それじゃあ、そのサイクルの中で私はこれからいったい何ができる? おっとっと、楽苦しいのがこっちに来た。

I.S.


生成AI普及もあり、インターネット用のサーバやデータ通信、携帯電話等関連装置の設置・運用に特化したデータセンターの建設が千葉ニュータウン周辺で盛んで、データセンター銀座と呼ばれている。

施設には大量の電気を分配する変電所など安定した稼働を保つための設備や災害対策が講じられた建物になっていて、印西市、白井市周辺で現在30あまりが立ち並び、今後も現時点で10前後の計画があるらしい。

理由は都心、成田空港に近く、地盤もよいこと。おかげで印西市の固定資産税は10年前の2倍程度まで増加。マンションの横に四角い巨大な建築物、日夜人影は少なく街としての景観は住民が不安に思うほどで建設反対の動きもあるようだ。企業側は今後の構想で施設まわりに人工池や公園を配し人が集える場所にするという。

身近な場所の近況知らずでした。一度周囲をぐるりと探索して見て感じてみようと思います。

S.S.

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