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実家の山梨では食卓に「馬刺し」が出ることが度々あり、赤身の肉を生姜醤油につけて食べていた。母親は生の肉が苦手で食べなかったが、父が好きなので用意していたのだろう。今でも実家に帰った際には食べたくなりお肉屋さんで買うのだが、そこそこいい値段である。お肉屋さんのご主人が「山梨県産の馬刺しだよ!」と言ってくれるが、「山梨のどこで馬肉がとれるの?そもそも食用の馬っているの?」などいろいろとわからないことがある。

「馬刺し」というと熊本県が有名だが、農林水産省や山梨県のHPで山梨県の郷土料理としても紹介されており、山梨県の馬肉の生産量は国内第5位らしい。山梨県は甲州街道が通り富士山信仰で登山者の荷揚げ用に馬が必要とされたため馬が身近にあり、このことから馬肉料理が盛んになったとも言われているそうだ。また、国内で馬肉を生で食べる習慣があるのは、熊本県、長野県、福島県、山梨県などらしい。

最近は馬肉も輸入ものが多いらしいが、輸入ものの馬肉には生体輸入(馬を生きた状態で輸入し国内で一定期間肥育する)と枝肉輸入(馬肉を裁断した状態で冷凍して輸入する)があるそうだ。

食用の馬の品種は大きく分けると「重種馬」(ボテっとした馬)と「軽種馬」(スラっとした馬)があり、熊本県の馬刺しは「重種馬」の品種で肉に“サシ(霜降り)”が多いのが特徴、福島県会津の馬刺しは「軽種馬」の品種でサシの少ない赤身が特徴らしい。山梨県で食べられている馬刺しは赤身なのでおそらく「軽種馬」で、東京で“サシ”の入った馬刺しを初めて食べた時は「こんな馬刺しがあるのか・・・」と驚いた記憶がある。

なお、赤身が特徴の「軽種馬」の代表種には「サラブレット」、「アラブ」、「アングロアラブ」などがある。えっ、競馬でよく耳にする「サラブレット」って競走馬の呼称みたいなものだと思っていたが、競走馬に適している馬の品種のことだったとは。

【K.H】

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