CASE STUDY

しりうち地域産業担い手センター

CLTパネル工法(一部在来軸組工法)で北海道に建設された研修・宿泊施設です。2016年にCLTパネル工法が告示化され、同告示による北海道での一棟目の建築物でした。
建築計画として、平面を雁行配置とし、雪国の地域特性を考慮した景観形成を図りました。また、内外装や家具等に道南杉など地域材を使用しつつ、構造材であるCLTパネルに道産カラマツを用いることで、地材地消のモデル事業となることを目指しました。
構造計画では、準耐火建築物でありつつCLTを現しとしたいという建築主の要望を受け、CLTパネルを燃え代設計とし、接合金物は、パネル表面に極力露出しない鋼板挿入ドリフトピン接合を採用しました。このような構造計画は国内初の試みであったため、「しりうちモデル」と銘打ち、建築主である知内町のHP上で接合部試験データ等の設計情報が一般公開されることとなりました。

建物概要

所在地北海道上磯郡知内町
規模3階建て(準耐火建築物)
延床面積366.74m2
構造木造/CLTパネル工法(ルート3)、木造/軸組工法(ルート2)
用途共同住宅
竣工年2018年
建築主知内町
設計監理(意匠、構造)株式会社日本システム設計
設計監理(総合、設備)株式会社日本データーサービス
施工齊藤建設株式会社
パネル製作物林(協同組合オホーツクウッドピア)

建築計画

・雪国の地域特性を考慮した景観形成。
・担い手が町に定住するためのスタートポイントとして居住性やコミュニティに配慮。
・内外装や家具等に道南杉など地域材を使用する地材地消のモデル事業。

構造計画

・居住施設として国内初のカラマツによるCLTパネル工法
・国内初の床に集成材パネルを用いたCLTパネル工法
・国内初の鋼板挿入ドリフトピン工法による燃えしろ設計に対応した接合金物を表面に見せないCLTパネル工法

参考URL

・しりうち地域産業担い手センター|北海道知内町

関連論文

・CLT実物件のための鋼板挿入ドリフトピン接合部の開発及び構造設計 その1 実建物の構造計画および解析
・CLT実物件のための鋼板挿入ドリフトピン接合部の開発及び構造設計 その2 接合部の要素試験及び性能評価

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